モンゴル雑感            

〔2005年7月19日〜22日〕

2泊3日の短いモンゴル出張でしたが、日本や中国とはあまりにも違う世界であったために感動することも多くありました。

今回は、モンゴルのさわりだけですが、私自身の記録として勝手にまとめてみました。私の勘違いや、間違った理解で

あれば、訂正いただきたく思います。

●ウランバートル空港は2機で満杯?

中国からモンゴルに入国する手段は北京からの中国国際航空とモンゴル航空を利用する空路と、北京からの

国際列車を利用して陸路で入る方法がある。時間的に余裕があれば鉄道を利用したいのだが、今回は無理でした。

ウランバートル国際空港は草原のど真ん中にあり、見渡す限り草原しか存在しないといってもいいようなのどかな

小さい空港であった。乗機タラップは2基しかなく寂しいのだが、同じ時間帯に他の飛行機が飛んでくるわけではないので、

それでいいのだろう。2階建てのターミナルビルがあるだけでも立派なものである。

帰り際にわかったのだけど、小さい空港のわりに、お土産屋が多いのが目立つ空港である。名産品のカシミア専門店や

ウォッカなどを販売するDuty Free Shop がたいへん多い。7〜8軒あったと思う。やはり、観光の国であるということが

理解できる。

この国の入国手続きは問題あり。入国する人も少ないからかもしれないが、入国カードと健康申告書は機内ではなく、

到着した空港の入国審査の前に渡され、その場で記入してから入国手続きをするという面倒な国である。

モンゴル行きの航空機の中で渡してもらえればもっとスムースにいくはずなのに...。でも、そんなに急いではいけない

国なのかもしれない。

●ロシア風の近代都市
ジンギスカンと大草原をイメージしていたモンゴルだが、さすがに首都のウランバートルではそのような光景は

見当たらない。ロシアの文化を取り入れた町並みは、隣国中国とは全く異質の世界であった。言葉は

ロシア語とは異なるモンゴル語らしいが、私の耳にはロシア語に聞こえた。文字は完全にロシア文字と

同一で、アルファベットをひっくり返したり、ひん曲げたりした文字が並んでいて、判読は不可能であった。

但し、顔つきは同じモンゴル系らしく、われわれ日本人とよく似た顔つきであった。

●バスはミニバンの乗り合いタクシー?

ウランバートル市内で目にした奇異な光景のひとつが、三菱自動車のデリカクラスのミニバンに人を満載して市内を

縦横に走り回るバス(乗り合いタクシーに近い?)である。行き先表示はなく、車掌が大声で行き先を告げて客を

乗せていく。車両はほとんどが韓国現代自動車のミニバンであり、たまに日本の三菱自動車のデリカも見かける。

もちろんいつ壊れてもおかしくないボロボロの中古車である。いかにもロシア製と思われる無骨なミニバンもたまに

見ることができるが、まともに動いているのが不思議なユニークな車体である。

タクシーは白タクが当たり前で、タクシーのマークがついていてメーターがちゃんと作動するタクシーは非常に少ない。

白タクで堂々と価格交渉するのがモンゴルに住むための必須条件である。

●モンゴルは中古車の展示場?

モンゴルの街を走っている車の95%は日本製か韓国製の中古車だと思われる。日本車でとく目立つのは、パジェロ・

デリカ・ランクル・サファリ・サーフなどの四輪駆動車で、日本でまだ十分走るのに、ディーゼル規制で廃車同然の価格で

引き取られた車が生き返って第2の人生を送っているようである。残念ながら再開はできなかったが、私が長年たいへん

気に入って乗っていた愛車のデリカスターワゴンもモンゴルで余生を送っているのかもしれない。

宅急便の車はたまたま立ち寄った市場の駐車場に止まっていたので、思わずシャッターを押してしまったものである。

この車は、ウランバートルに宅急便が進出しているわけではなく、中古車として外装もそのままに販売されてきたものを、

所有者が大事に化粧直しをして乗っているようで、たいへんきれいなものであった。このほかに佐川急便のマークのついた

トラックや○○青果店などの表示がそのまま残ったかつての功労車が走っているのを見ると、なんとなく嬉しくなってくる。

●モンゴルの女性はよく働く

今回はある食品問屋のセミナーに参加したのだが、参加者のほとんどは女性であった。90%以上が女性なので、

不思議に思って聞いてみると、「モンゴルは女性が働き、男性は遊んでいるという」答えが返ってきた。そんな馬鹿な

ことはないだろうと突っ込んで聞くと、男性は毎晩ウォッカで酔いつぶれてしまうために、二日酔いで朝起きられない。

だから、女性が働くのだという。なんともうらやましいような、情けないようなヘンな気持ちであった。

一説によると、モンゴルでは男性が少なく、女性が圧倒的に多いという。ある人はモンゴルの男女比は、男1:女6と

いう。またある人は、男1:女3という。こんなことは絶対に考えられないのだが、1:1.2程度の差はあるのかもしれない。

モンゴルは男性天国だろうか。でも私はモンゴルに住みたいとは思わない。理由はご想像にお任せする。

宵越し金は持たない?

昔の江戸っ子は江戸っ子は宵越しの金は持たないという。つまり、今日稼いだ金は明日までに使い果たすということ

なのだが、モンゴル人の多くはこのような気質を持っているらしい。もらった給料をすぐに使い果たしてしまうために、月給を

2回に分けて支給しているところが多いという。従って、貯蓄率もきわめて低いらしい。中国の貯蓄率は非常に高いのに

比べて、隣国でありながら対照的である。給料をもらったら、すぐにやめてしまうことも多いという。やはり、放牧の民は、

1ヶ所に定着することが不得手なのかもしれない。

日没は22時

高緯度に位置するため、北欧などと同じように、昼間の時間がたいへん長い(7月)。サマータイムを導入しているので、

朝は6時頃に夜が明けるが、日没は夜の10時頃となる。9時ではまだ陽が強いため日焼けしそうなくらいだ。

当然夕食の時間も遅くから始まり、気がついたら夜中の12時を過ぎていたなんてことになる。男性が二日酔いで

朝早く起きることができないというのは納得できるような気がする。朝の始動時間はだいたい8時頃から10時頃と

少し遅いのもうなづける。

モンゴルの地酒「馬乳酒」

放牧民が手作りしている地酒の「馬乳酒」が呑めるというので、ウランバートル郊外の放牧地に連れて行ってもらった。

家族で馬の放牧をしている草原のゲル(テント)に行き、馬乳酒を試してみた。たぶん、馬の乳から生クリームを取り除いた

脱脂乳を乳酸菌醗酵したものだと思うが、飲むヨーグルトを薄めてすっぱくしたような味で、アルコールはたぶん5%前後だろう。

放牧民のゲルの中で作っている手作り品で、各家で味が違うらしい。お世辞にもあまり旨いとはいえなかったが、もう少し

長くモンゴルにいたら、味のよさがわかってくるかもしれない。

以前、ヒマラヤのトレッキングでネパールの山奥に行ったときに呑んだ地酒とよく似ている。ネパールの場合はヤクかヤギの

乳が原料だったように記憶している。

オット危ない! マンホールに蓋がない

街中の歩道を歩いていると、工事中でもないのに、写真のようなマンホールの穴がむき出しになったところがよく

見られる。蓋が盗まれてしまうのか、それとも何か特別に理由があるのかよくわからないが、たいへん危険である。

冬場はたいへん寒いので、浮浪者が暖かいマンホールに入って生活しているのだというが、私には信じられない。

卵は高いので、1個売り

以下、工事中!

 

街中にもゲルが
大草原

 

 

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